事業領域

ゼネコンと一口に言っても企業や経営スタイルによって様々ですが、当社が考えるゼネコンについて記載させて頂きます。
当社の顧客は、主にマンションデベロッパー(事業主)です。

当社では、事業主が土地を仕入れる際、建築コストの概算を算出したり、コストダウンのアドバイスをしたり、事業化への協力を行います。その後事業主が設計事務所に依頼し、確認申請や実施設計を行っていきます。当然事業主にとっては商品なので、間取りや仕様なども決めていきます。 当社の経験上、設計図書通りに本見積りをすると大抵の場合概算金額を大きく上回ります。理由としては、仕様が上がっていたり構造が大幅に変わっている場合が多くあげられます。 設計士の一本の線にはそれだけお金がかかるというわけです。

事業領域

事業主は多くの場合、他社へも見積りを依頼しているため、当社の見積りの妥当性を確認していただけると思います。また、VE(性能を維持して安価なものを提案)とCD(取りやめ等)を行い、そのままでは事業化するのは難しい案件についても、妥協点を見つけて事業を進められる様、努力させて頂きます。それでも厳しい場合は、プランの見直しや事業化の見直しをすることになります。

いよいよ施工開始になります。着工して暫くは、定例会議で詳細の検討を開始します。設計図書から拾い上げた詳細部分は、現場で作成した施工図に従って各専門業者が施工していきます。近年の建物は、設備が充実しているため配管勾配や経路など十分に検討しないと、構造上の欠陥・機能低下の原因となります。また、図面から欠落したものの発見やクレームの発生が予想される部分の仕様を変更したりすることも重要な打ち合わせ事項になります。

当社は、他のゼネコンより3倍質疑事項が多いと言われることもあります。図面通り施工することが仕事だと考えるゼネコンもあるようですが、当社では各工種との打合せを充分行うことで、品質が向上していくと考えております。

施工中は設計事務所の検査や役所の中間検査などが都度あります。当社では、品質管理上さらに細かく品質の検査を実施します。仕上がってしまうと隠れてしまう部分などは、特に注意して確認する様に心がけています。最終段階では、検査機関の竣工検査や消防検査、事業主検査、エンドユーザーの検査などを経て、合格したものを事業主に引き渡します。

引き渡し後も定期的検査の実施を行い、アフターサービス期間中のものは無償にて修繕することになっています。クレームの多い物件は、事業主の担当者も後々まで煩わしい思いをさせてしまうため、クレームが発生しないように心がけています。

さらに細かいことを言えば、監督によっても変わってきます。一般的には、設計事務所が設計監理をしているため、誰が施工しても同じ建物が出来ると考えますが、「出来栄えや使い勝手、耐久性等」において違いが出てきます。建物の広さや高さ、使用している什器設備が変わらなくとも、気付かない所に違いは表れているのです。

料理で言えば、同じレシピでも作り方で出来は違います。また、料理を盛りつける皿を温めたりする等のちょっとした心遣いで、料理をおいしく食べられる時間も変わるのです。料理ならおいしいと感じることが出来るのですが、良い建物と感じることは普通ないので、わかりにくいです。
建物は、売主・眺望・立地・外観などが判断基準になってしまいます。しかし、本当に施工の良い建物とは、はっきりした違いがあるのです。良い建物とは、日常生活が何事もなく過ごせる建物なのです。何事もないので、感じることが無いのです。まったくトラブルがないとは考えられないと思いますが、少ないのです。

当社は都心を中心にマンションを建設しており、良い建物になる為に心がけていることがあります。
1つ目は、施主・設計事務所・施工会社の連携を密にすること、適正な価格と適正な工期を守ること、そしてその建設地の状況を正確に把握することです。これを守らないと100%良い施工の建物はできません。信頼関係を築いていくことが、大切になります。

2つ目は、施工会社として品質低下を招く恐れのある減額案に応じないこと、それらを提案しないことです。施主や設計事務所からの要求事項でなくても、当社の経験からやらなければならないことは十分説明して施工します。そうすることによって後々、クレームとして発生する可能性が激減します。技術者として愛のこもった建物を目指していくことを大切にしています。

3つ目は、各工種の専門業者で構成されている協力会との連携です。近年問題となっている職人不足は、建設業界の大きな問題です。
職人不足により建物が完成しない時代が、近い将来訪れるかもしれません。
今後は、職人確保への取り組み・職人の育成を協力会と連携して取り組んで参ります。

技術の伴った善良な魂を持つ技術者の集団を目指します。